検査でハウスダストとスギ花粉がアレルゲンとわかりました、そんなときは……

私の息子はすっと、ハウスダストが原因の通年性アレルギー鼻炎といわれ、治療もしてきましたが、先日、病院で検査をしてちらったら、スギ花粉にも陽性ということがわかりました。中学受験も近く、できるなら根本的によくしてやりたいし、本人もそう望んでいます。両方の減感作
療法をうけたいのですが、ますハウスダストをやってから、つぎにスギ花粉の減感作をやるのでしようか。それではずいぶん時間がかかり、受験に間に合わないと心配しています。

複数のアレルゲンがあるときは、同時にやります

お子さんのような、複数のアレルゲンをもつ患者さんは、たくさんいらっしやいます。なにかにアレルギーを起こすと、別のものにもアレルギーを起こしがちだからです。

お子さんの症状は、まだハウスダストによる鼻炎だけで、花粉症の症状は出ていないのでしょうか。

お子さんにハウスダストの減感作療法をするのは、なにも異論はありません。

では、スギ花粉症に対してはどうか……もし、スギが今後減っていったり、スギ花粉症そのものがそう多い花粉症ではないなら、やらなくてもいいでしょう。しかし、スギはそうではありません。日本からスギがなくなることは、少なくともここ50年はありませんし、その症状は世界の花粉症のなかでも、一、二を争う激しいものです。ですから、やっておいたほうがいいでしょう。このときは、二つ同時に減感作療法をします。左右の腕のそれぞれに、ハウスダストのアレルゲンエキスとスギ花粉のアレルゲンエキスを打てばいいので、同時に治療ができるのです。

ブタクサやイネ科の植物による花粉症が多いアメリカでは、減感作療法のときには、皮内反応でアレルゲンとわかったものをすべて、いっしょに注射するのがふつうです。たとえばカモガヤが陽性、チモシーグラスも陽性、ジュニパーグラスも陽性、ブタクサも陽性の人なら、ミックスドグラスといって、陽性になったものすべて、20種でも30種でも混ぜて、いっしょに注射します。ヒノキやシラカバなどを合わせたミックスドツリーもあります。

日本では、そこまで極端ではありません。いろいろなものを混ぜると、副作用がでたとき、どれが原因なのかわかりません。そこで一本一本、別のところに打つのです。

現在、標準抗原といって、安定した品質の「抗原」が用意されているのはスギだけですが、ハウスダストとブタクサも、安定的に作られています。しかし、それ以外の、安定的な「抗原」のないカモガヤの減感作をやろうとしたら、大学病院のようなところで倫理委員会を通してからで
ないとできません。抗原が手に入りづらいのと、保険点数が低くて、病院側の経営のメリットにならないからです。

アメリカでは、減感作療法が医療として成立していて、非常にいい結果が出ています。それは、たくさんの人に行なって、効果が出ている人がたくさんいるからです。

日本では、減感作療法をやるうえで、デメリットが多すぎます。手間がかかる、リスクがある、それなのにひとりの医師がみることができる患者数では、とても収入にならない……おのずとやる医師が少なくなり、うける患者さんもへっていく。そういうことで、減感1  療法についての正
しい知識もなかなか広まっていないのです。

最後はちょっと愚痴になりましたが、とにかくお子さんは、ハウスダストとスギ花粉をあわせた減感作療法ができます。お任せ下さい。



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