花粉症は、どうして治らないのでしょうか

私はすっと花粉症です。高校生のときからですから、もう10年以上も、春になるのがうらめしくて仕方がありません。病院にも行き、薬局でいろいろクスリを買ったり、友達からいいと勧められるサプリメントを試したりもしました。着るものにもいろいろ気を使い、外出のときには必ずマスクとメガネをかけ、帽子もかぶっているのですが、症状のつらさはあまり変わりません。ひどいときは熱が出て顔も腫れますから、会社にも行けません。このまま年をとるのかと思うと悲しくなります。私の花粉症は、どうして治らないのでしようか。

治らないとあきらめないでください。ご自分の花粉症を知ることが大切です

ある薬品会社のアンケートをみると、病院にかかったり市販薬をのんでいる花粉症患者さんの「満足度」は、わずか40パーセントしかありませんでした。また、別のアンケートでは、約75パーセントの方が病院の治療や市販薬に不満をもっていて、あなたもその一人というわけです。 なかなか治らないという、その答えは簡単です。一言に花粉症といっても、その内容や原因が人によってまちまちなのに、一般の市販薬や病院の治療は、そんな違いに目を向けない、通り一遍のものになっているからです。

花粉症のあなたは、朝、起きぬけに、くしゃみが出たりしませんか。花粉症シーズンに起こるこの朝の発作を「モーニングアタック」といいますが、考えてみると、おかしな話です。就寝中は室内でふとんに入っていますから、花粉を吸ったわけではありません。それなのに、なぜ「発作」が出るのでしょう。また花粉症の人でも、そんな発作が起こらない方もいます。それは、おなじ外界の変化に対しても、その反応に非常な「個人差」があるからです。とくに、花粉症の症状であ亘涙や鼻水などという、からだの分泌活動には、個人差が大きいのです。

私は、この個人差の究明こそ、これからの花粉症治療の重要なポイントだと考えています。個人差がなぜ起こったかを見極めることができれば、あなたの花粉症を根治する治療や、効果的に症状をやわらげる治療が提供でき、40パーセントしかない満足度を、ぐんと向上することができると考えているからです。

インフォームドーコンセントも足りていません

治療の満足度が低いのには、もう一つ大きな原囚があります。いまの医療で重要とされるインフォームドーコッセント(説明と合意)が、花粉症では充分になされていないからです。

なぜ春になると鼻水がでるのか、目がかゆくなるのか、鼻づまりがひどいのか……実はおなじズギ花粉症でも、その症状や程度は、患者さんごとに違います。しかし、スギ花粉のシーズン中は、いつも診察室からあふれるくらい患者さんが多いので、多くの医師は、「ああ、花粉症ですね」の一言で、ほとんど説明することもなく、通り}遍の治療をしてきました。しかも、通り一遍の治療でも、「それなり」に効果があるのが、花粉症の特徴の一つなのです。

しかし、「それなり」は、どこまでいっても「それなり」でしかありません。症状の軽いうちはまだいいのですが、重くなってくると、とても「それなり」では手に負えなくなってきて、治療の満足度が、さらに、がくんと下がるというわけです。

ですから、私たち花粉症の専門医がやらなくてはならないのは、何かこのような症状を出させているのかを、患者さんひとりごとに科学的に説明することです。そのうえで患者さんから、どんな治療を望むのか、花粉のシーズンだけ症状を消せばいいのか、未来永劫ずっと治したいのかなどをうかがって、その患者さんの希望に合った最適の治療法を提供する……これが、私の考える本来の「花粉症」治療であり、こういうふうにしていれば、7割以上の方が治療に不満をもつようなことは、起こらなかったはずです。

というわけで、あなたに、まず申し上げたいのは、自分の花粉症は治らないとあきらめないこと、そして、自分の花粉症がどんなタイプなのかを知ることが大切だ、ということです。

たしかに花粉症には、治る(根治する)花粉症と、根治の難しい花粉症があります。あなたの花粉症がそのどちらであるかは、私たち専門医がきちんと診察をしなくてはわかりません。そして、治らない花粉症だったとしても、いまの症状を、うんと軽くすることは可能です。

ですから、自分の花粉症がどんなタイプなのかを知ることが、なにより大切なのです。



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